折りたたみe-bikeとして、またミニベロタイプのe-bikeとして、非常に高い評価を誇る傑作コミューターTern『Vektron S10』。今回は、実際にVektronのオーナーであるモトベロ名古屋星が丘のスタッフが、そのスペックと乗車感について詳しく解説いたします。
Contents
【レビュー】Tern『Vektron S10』徹底解説
Tern『Vektron S10』とは
折りたたみ自転車メーカーとして非常に高い評価を誇るアメリカの『Tern』。そのTernのハイスペックe-bikeが『Vektron S10』です。自転車のジャンルとしては、日々の生活の脚として街中を快適・安全に走り抜けるコミューターバイクと言われるタイプに属します。
次世代コミューターと銘打たれた『Vektron S10』は、BOSCH Active Line Plusの力強いアシストと太いタイヤから来る快適かつ安定感のある乗り心地に加え、軽快に駆け抜ける高い走行性能と独自の折り畳みシステムによる収納性の高さまで兼ね備え、まさしくコミューターバイクの進化系と言える傑作e-bikeです。
SPEC
- フレーム:ハイドロフォームアルミ
- フォーク:ハイドロフォームアルミ
- タイヤ:SCHWALBE BIG APPLE 20×2.15
- 変速:SHIMANO Tiagra 10 speed
- ドライブユニット:BOSCH Active Line Plus
- バッテリー:BOSCH 300Wh (36V 8.4Ah)
- ディスプレー:BOSCH Intuvia
- カラー:Dark Silver/Silver、Matte Black/Black、Satin Metallic Forest/Gummetal
- 販売価格:¥434,500(税込)※2025年3月時点
多方面にハイスペックな自転車ですが、まとめるとその長所は大きく4つ。乗り味とパフォーマンスを両立したBOSCH製モーターと、折りたたみ自転車とは思えない高い走行性能、高次元の積載能力、そしてこれらの要素から来る多用途性が何よりの強みです。
公称重量22kgと折りたたみe-bikeとしては若干重いものの、それもe-bikeの平均を若干上回る程度。自動車への積み込みには困らない重量で、走行時は全く重さを感じさせません。
BOSCH製モーターによる自然かつ力強いアシスト
e-bikeの心臓部たるモーターは、様々な分野で高い評価を受けるドイツメーカーBOSCHのActine Line Plus。Ternのみならず、多数のe-bikeメーカーに採用されている信頼と実績のあるモーターです。
シティライドモデルといった位置づけですが、街乗り向けにチューンされているだけに都市部で頻発するストップ&ゴーへの反応は気敏かつナチュラルで、その走行感は快適そのもの。
折りたたみ自転車とは思えない高い走行性能
Vektronを語る上で外せないのが、折りたたみ自転車らしからぬ優れた走行性能です。
抜群の剛性と速度
特に驚くべきは速度面で、折りたたみ自転車、小径、しかも太めのタイヤと、本来であればあまり速度が出ない要素が揃っていますが、実際にはアシスト域外の時速24kmを軽く超えられる、ぐいぐい踏み込めば時速30km越えも十分可能なクロスバイク顔負けの走行性能を発揮します。
これを支えるのは折りたたみであることを一切感じさせない抜群の剛性感。フレームを二つ折りにするメインの関節部分は非常にガッチリしており、折りたたみ自転車にありがちな「関節部分で力が逃げる」ような感覚が全くありません。
走行時の安定感
安定感のある乗り心地も特徴の一つです。実測で約1080mmと小径車としては長めのホイールベースのおかげで、小径車にありがちなハンドルの不安定さは微塵も感じません。
見た目通りの低重心と20×2.15という太めのタイヤも相まって、下り坂などでスピードが出ているときや、逆に本来ふらつきやすい低速走行時でも非常に高い安定感を発揮します。
高い積載力と充実した装備類
もう一つのVektronの特徴と言えるのが、折りたたみ自転車としてだけでなくe-bike全体を見てもなお優秀な積載能力です。
高性能なリアキャリア
見た目にもがっしりしたリアキャリアは、e-bikeとしては優秀な27kgの耐荷重を誇り、天板が広いため大型のカゴやコンテナも安定して積載できます。
加えて、構造的に優れているのが天板部分とは別にサイドバーを備えている点。これにより、カゴやコンテナを乗せつつパニアバッグの装備を可能にしています。
その柔軟な積載能力を活かして大容量のMarket Basketと肩掛けできるパニアバッグを併用すれば、お買い物の際の使い勝手はばっちり。どちらも車体に搭載できるので、ライド時は何も背負う必要がなく抜群に快適です。
【CHECK!】純正オプション『Market Basket 2.0』
一瞬で脱着可能な、持ち手付きの大容量リアバスケット。お買い物の際、カゴごとお店に持ち込むことができ、家に帰ればカゴごと冷蔵庫の前まで持っていけるので非常に便利。必要ない場合は簡単に外せるのもメリットです。
フロント周りの拡張性
純正オプション品の『Luggage Truss 2.0』を装着することでKLICKfixシステムの各種カゴやバッグ等を装着できます。適宜付け外し可能なので折りたたみにも支障がなく、用途に合わせて複数のカゴやラックを使い分ける使い方もオススメ。
タイヤとのクリアランスの関係で一部取り付けが難しいカゴもありますが、その場合は別の汎用アタッチメントを使うことで取り付け可能です。
【CHECK!】チェーンカバーを標準装備
普段着で乗ることも多いコミューターバイクとして、地味ながら非常に重要なポイントがチェーンカバーを標準装備している点です。e-bikeとしてはかなり珍しい上、チェーンカバーは後付けが非常に難しく、その割には購入時に見落とされがち。
ボトムスの裾汚れを気にせず乗れるというのは、乗る機会が多くなればなるほど無視できないポイントになります。
これらの要素から来る多用途性
そしてこの自転車の最大のポイントと言えるのが、得手不得手のない抜群の多用途性です。
コミューターらしく快適な移動の脚としてはもちろん、カゴやカバンを装備すればお買いものもバッチリ。Vektronなら10km以上向こうのショッピングモールも十分行動範囲に入ってきます。
走行性能の高さから往復数十kmのロングライドもお手のもので、充電器を持っていけば宿泊を伴った自転車旅にもオススメ。一方で低速走行時でも安定感があるので、ポタリングのようなのんびりとしたライドも得意分野です。
また、その積載力を活かせばかなりの荷物を積むことができ、山もグイグイ上っていけるので、自転車キャンプとの相性も抜群です。設営後は折りたたんでテントの前室やタープの下に車体を収納できる点もグッド。
優秀な折りたたみ性能
これだけのスペックを持ちながら折りたたみ自転車という事実が何よりの驚きかもしれません。しかもその折りたたみ機構は非常に秀逸。
Tern独自のN字型フォールディングシステムは、慣れれば非常に簡単かつスマート。更には車輪が平行に固定されることで転がしての移動が可能だったり、キャリア後端をスタンドにして縦置きできたりと、便利機能も充実しています。
実走レビュー
乗り始めてまず驚くのはそのアシスト感です。平地走行では下から2つ目のTOURモードを使用、信号待ちからのスタートでは時速20km以上まで一瞬で加速できます。驚くのはこれだけの加速性を持ちながら「体を持っていかれる」ようなネガティブな感じが一切ないこと。
力強いのにごく自然な、絶妙なアシスト感です。その一方TURBOモードを使った登りは非常にパワフルで、結構な急坂も対しても足に負担を感じることなくぐいぐい登って行けます。
また時速24kmのアシスト域を超えた際もペダリングに負担が少なく、その気になれば時速30km前後の速度を維持したまま巡航可能です。それでいて低速高速に関わらず走行時の安定感が素晴らしく、これがライド時の楽しさに直結しています。
街乗り、買い物から40~50kmの遠出、のんびりしたポタリングまでどんな乗り方でも楽しさを感じられる一台です。
どんな人にお勧め?
Vektron S10は折りたたみという枠を超えて、非常に高い性能と多用途性を兼ね備えたe-bikeです。
高性能な折りたたみe-bikeを探している方にお勧めなのはもちろんのこと、折りたたみを抜きにして純粋に高性能なe-bike、特にミニベロタイプをお探しの方にも是非お勧めしたい一台です。
Tern キャッシュバックキャンペーン実施中!
今回ご紹介したVektron S10を始め、HSD P9、Quick Haul D8は只今キャッシュバックキャンペーンを実施中です。
Tern e-bike 3車種をお得に手に入れられるチャンスなので、ぜひこの機会にお求めください。
『Vektron S10』試乗可能店舗
今回紹介しましたTern 『Vektron S10』は下記モトベロ全店にてご試乗が可能です。ぜひご来店いただき実際の走行感を体験してみてください。※一部N8モデルの場合あり